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第22回 ハセツネCUP その1

日本山岳耐久レース 長谷川恒男CUP——「ハセツネ」と呼ばれるこの大会を2014年のメインレースに位置づけていた。

そんな私が会場に到着したのは、スタート20分前、12時40分。

会場につくまで、電車のなかでリザーバーに飲みものを詰め、乗り換えの空き時間に駅で着替えるという有り様。

慌てて体育館に荷物を放り込み、スタート最後尾でゼッケンや計測用のチップを装着している間にスタートしていた

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長いスタートの列。私は最後尾からのスタートに……。

今までロード、トレイルといくつかの大会を走ってきたけど、こんな準備不足というか、よくわからない状況でレースがはじまったことはない。

スタートの時間は13時。

「お腹がすいたなあ」と思っても、私はすでにコース上。スタート前に必ずいくお手洗いにも行けなかった。

不安と「どうにでもなれ」というやけっぱちな気持ちが混ざり合いながら、楽しみにしていた初めてのハセツネがはじまった。

夜間走がメインとなる、71.5kmのレース

ここでハセツネの概要を簡単にまとめてみる。

コースは奥多摩山域の71.5km。

五日市中学校→今熊神社→市道山分岐→醍醐丸→生藤山→土俵岳→笹尾根→三頭山→大岳山→御岳神社→金比羅尾根→五日市会館前フィニッシュ

制限時間は24時間と関門にシビアなトレランレースとは異なり余裕をもった時間設定。

ちなみに累積標高は4800メートル程度といわれている。

また、スタートが13時と遅い時間に設定されているため、全てのランナーが夜間走行を強いられる。

(また殆どのランナーが夜を徹して走ることになる)

そして他のトレランの大会と一番異なるのは、エイドがない、水分補給は1カ所で1人1.5リットルまで、他社から物の受け渡し不可というルール。

要するに他者頼らず自分の力と持ち物でゴールしろというレースなのだ。

そのため、背負うもの背負わないものの選択は個々人にゆだねられる。全ては自己責任。

水はどれくらい必要か、ゴールまでに必要な食料は、ジェルは何個持って行けばいいのか、雨や寒さを凌ぐためには?

これらを自分の実力に照らし合わせて設定していく、この装備の判断は正直大変。

「最後は会場で他の人の装備なんかもみてゆっくり決めよう」と思っていたが、スタート直前の到着で当初の予定はパー。

あれこれ悩んだくせに最後はザックのどこに何を入れたのかもわからないまま走り出していたのだ。

ハセツネ渋滞

ハセツネの名物?と言ってもいいのかもしれないのが序盤の渋滞。

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スタートから1.5km地点。すでに渋滞ははじまっていた。

人一人分程度の細いトレイルを序盤から走るので渋滞が発生する。

そしてこれから少しでも逃れようと多くのランナーがスタート直後から全力疾走する。
(渋滞にハマればそこで休憩もできるし)

最後尾からスタートした私は完全にお手上げ。

スタートから15kmの醍醐丸という地点まではところどころで停滞しながらゆったり進むことに。

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集団ハイキング

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ハイキングは楽しいねぇ……。

少し進んでは渋滞による停滞、また進んでは……というのが15km続く。

「もうこれはトレランではないのではないか?」「いやハセツネというのはそもそも……」

みたいな問答が脳内ではじまり気が滅入ってころ、ようやく列がスムーズに動き始まる。

それがちょうど試走した15kmの醍醐丸。

何がなんだかわからないままスタートしたレースもここまでは知っているゾーン。

そしてここから先の56kmが未知のゾーン、本当のハセツネ。

試走の効果は大きかったようで、ここまでは「ああ知ってる」という感じであっという間に来てしまった。

このペースで行ければいい感じじゃないかと思えた。

だが試走をしてないここから私にとって本当のハセツネだ。

そしてこの直後から次々とハセツネの洗礼を受けることになるのである……(つづく