アーカイブ

スパトレイル 四万to草津

昨年に続き、今年もスパトレイルに参加。
80kmだった距離が72kmになったので、これはだいぶ余裕が出るなと思ったのだが、蓋を開けてみるととんでもない、去年よりもヘヴィーな温泉旅となった。

コースは4割程度変更

150627-01-2

2回目のブリーフィングでプロデューサーの鏑木さんから昨年と比べてコースが4割程度変更になったという説明が。主に後半が中心。

そして56〜57kmには階段700段の区間が用意されているという。これは「走れる北米スタイル」の大会に加えたアクセント程度のもの。鏑木さんと共にプロデュースしている松本大さんが取り組むスカイランニングの種目バーチカルらしさを取り入れているんだとか。
高低図にはその階段ゾーンの登り具合がはっきり出ていないのが気がかり。とりあえず「56km要注意」と頭に叩きこんでブリーフィング終了。

温泉は何度も入るべし

ブリーフィングが終わると、バスでスタートのある四万温泉へ。
150627-01-3
ここで1泊することになる。
翌朝のスタートが5時と早いため、夕方に到着しても以外とゆっくりできる時間は少ない。
オススメは前日早めの時間に受付して、できるだけ早く四万温泉の宿に到着し、温泉に何度も入ること。宿によっては温泉の種類が豊富だったり、時間帯によって男女の入浴時間をわけたりしている温泉もある。私のとまった宿は2種類の露天風呂の入浴時間を男女ごとにわけていた。
150627-01-5

150627-01-4
限られた時間でとことん楽しみたいのならば、宿は早めに。温泉にじっくりといったところだろうか。
当日は2時過ぎに置き、3時にはスタート地点に向かった。
大会の2時間前の到着は少々早いのだが、いつも2時間前には到着しているので、いつものリズムで臨むことに。

走れるからこそ走らない

「走れる大会」が売りとなっているスパトレイル。 昨年の失敗はその大会の特徴にあった。前半の林道の登り、そして下り基調のトレイルが楽しくてかなり走ってしまったのだ。 その結果、野反湖まで続く5キロの登りで疲労はピークに。意識が朦朧としたまま野反湖を半周し、エイドに到着した記憶がある。
150701-01

昨年一番失敗したのがこれ。
だから今年は決めた「走らないぞ」と。
走る目安を心拍数で判断した。160を超えたら歩く。152、3になったら小走りをする。走ろうと思えば走れるが敢えて歩く。 これが正解かはわからないが、歩いた時間が長いだけ10キロ過ぎの給水ポイントについても体全体に余裕が感じられた。 舞い上がっている感じもない。 最初のエイドまでの道は一部コース変更されていて、林道がメイン。 下り坂は走るが登り坂では歩く。
150628-01気がつくと20キロを通過。ここまでは5月に走った野辺山ウルトラマラソンのようなコースだ。トレラン……ではないな。

第1エイドを過ぎるといよいよトレイルに。 川を渡ってシングルトラックを抜けると、野反湖への登りへ。
150628-01-2
昨年はひたすら登り続けてフラフラになった記憶ばかりだったが、今年はかなり余裕がある。自分の記憶よりもフラットで走れる部分があった。もちろん登りは長かったが、ここまでの距離が去年より短いこともあってか、とても楽に野反湖へ到着することができた。 野反湖畔を半周する心地よいコース。 レンゲツツジの鮮やかなオレンジがとてもきれい。
150628-01-3
みとれながら走ったり歩いたりしていると、遠くからショートコースの開会式の声が聞こえる。 その声をラジオのように聞きながらエイドへ。 ショートのスタート地点でもある第2エイドへ到着するとちょうどスタートが一服したところだった。
150628-01-4ここが35km地点だからだいたい半分。コースの難所は越えたかなと思っていた。
そこまで疲れていなかったので、座ることなく舞茸のうどんを食べてさっと後半戦へ。

後半戦は未知の大会へ

150628-01-5野反湖を一周し、最高地点の弁天山頂上。そしてそこからがこの大会で一番気持ちのいい下り基調のトレイルが続く。去年は途中から林道になり「なんだかなぁ」という気分になったが、今年は気持ちのいいトレイルで一気にエイドまで下りていく。

気持ちのいいシングルトラック

気持ちのいいシングルトラック

足湯のある第3エイドまでは去年と同じ。ここからゴールの草津温泉までのルートは未知のルートとなる。集落を抜けて進んで行くとかそんな説明を聞いた気がする。

これまでトントン拍子でやってきて、こんな勢いでゴールまで行っちゃっていいのかな?想像以上に早く到着しちゃうんじゃないの?なんて余裕が生まれてきたのもこの頃で、この甘い幻想は間もなくぶち壊されることになる。

150628-01-8天候は雨が予想されていたが、なんとか持ちこたえてくれただけでなく、第3エイドを過ぎてからは晴れ間も見えて日差しの強さが感じられるようになってきた。登り基調で日陰がない。これはなかなか堪える。

ロードの登り坂については走っている人が多かったが、気がつくと体力的な理由で走ることができなくなっていた。仕方ない、これからは淡々と歩くのみだ。そして「だいぶしんどくなってきたなぁ」と思ってきた頃に、56km地点の階段にたどり着くのだった。

メインディッシュは階段ゾーン

階段は滝の脇を登っていく道で、入り口に丁寧に「階段70⚫︎段」とかいてある。オフィスビルの階段なら慣れているが、この階段がなかなかの急登。

150628-01-9

階段っていうか、ハシゴみたいな階段がところどころにあって、これは手を離したらアウトっぽいなと慎重に進む。ところどころで足を休めている人たちも。階段はかなり苦手だが、休まずゆっくりでもいいからとにかく上へ上へと進むことに。段数は本当に700段あったのかわからないが、気がつくと滝の音は聞こえなくなっていた。

滝が終われば第4エイドまではもうすぐ。ロードをとぼとぼ歩いていると、地元のおばちゃんから「階段どうだった?」と声をかけられた。「いや〜、死ぬかと思ったよ」と返すと「あんた、みんなあれじゃ死なないわよ」と笑われてしまった。

150628-01-10

階段を終えた場所にある第4エイド。おばちゃんたちが元気いっぱいだ

この11.5kmの区間がスパトレイルで一番苦しい区間だった。これまでエイドで座ることはなかったが、ここではじめて座り込んでしまった。

走れる終盤のコースで、走りたくても走れない

ここまで58km。次のエイドまでは6km弱しなかない。楽勝楽勝〜と思っていたが、もう走る力はなくなっていて、登りも下りも歩き中心。正直階段を過ぎてからの記憶は曖昧で、この最終エイドまでの区間になにがあったのか覚えていない。ボーっとしたまま進んでいたのだろう。

150628-01-11気がつくと最後のエイドに到着していた。ここではお蕎麦をいただく。
残り8km。走る気力はないが制限時間内にはゴールできそうだ。12時間を切ることは……できるかな。ギリギリかな。

ロードと林道が中心の終盤、走れる力があればとても心地いい区間なんだろう。自分はといえば走りたい、でも走れない。ここで走ったらどこかで息切れしそうだ。早歩きで、同じように歩いている人たちを抜いていく。

150628-01-12

70km地点まで来た。あと2km。時計を見る。ひょっとしたら12時間を切れるかもしれない。走っては歩き、走っては歩きを繰り返す。

どれだけ進んだのだろう。僕の手元のGPSでは、距離の誤差はあるもののもうすぐ72kmに到達しそうだ。ところがゴールが見えない。人のいるような声や騒ぎも聞こえない。駆け上がる人に声を掛ける。
「あとどのくらいですか?」
「今71.7kmだからあと1kmくらいですね」
あと……1kmだと……。実は第3エイドでジェルのゴミと一緒に誤って高低図の切り取りも一緒に捨てるミスをしてしまったのだ。なのでそこから先はコース展望については何もわからないまま進んでいた。距離も72kmだと思っていたが、実際は700mプラスなのか。

これでは12時間切りはムリだ。しばらくすると、遠くから17時を告げるメロディーが聞こえた。12時間経過。終戦。

ゴールは12時間1ケタ分。終盤で突発的に掲げた目標の達成はできなかったが、エイドの休憩時間はどこも短めで終えることができたし、昨年の失敗を踏まえて前半のペース配分を組み直すこともできた。
やれたこと、やれなかったこと、それぞれあって達成感や改善点が見えた充実感溢れた72.7kmだった。

距離は短くなったけど、コースの難易度はあがったと思う。ロードの区間が確かに多いかもしれないが、階段も含めて盛りだくさんな内容で存分に楽しませてもらった。この大会のために準備を重ねてきた大会関係者の方々には感謝の気持ちしかない。

ゴールの草津温泉で体をしっかり休ませることができればよかったのだが、帰りの電車などを考えるとそんな時間もなく、ゆっくり着替えをして電車で横浜へ帰った。

去年は手配していた東京行きのシャトルバスに間に合わず、草津温泉で一泊するというトラブル?があったが、今回の距離、制限時間であれば東京までのシャトルバスのほうが助かる。疲れた体でバス2本乗りついで駅へ行き、そこから乗り継ぎを重ねて帰るのはとてもしんどいからだ。行きはともかく、帰りはバスの復活を願う。