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CCC / UTMB 2015 その4

ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(Ultra-Trail du Mont-Blanc® / UTMB)の後半101kmを走るCCCというレースに参加してきました。これから数回にわたって、レースのことや現地シャモニーでのことなどを振り返りたいと思う。今回は4回目。
前回はこちらから

バスでクールマユールへ。15年のバスはネット予約に

レース当日の朝は早い。9時のスタート前に、まずはシャモニーからイタリアのクールマイユールへ事前にネットで予約したバスで移動する。バスの予約は今年からネットで事前予約になった。クールマイユールまでは30分程度だろうか。トンネルを抜けて一気にイタリアである。

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バス。事前予約制だが、ラフなのはバスの時計が適当な時間をさしていることからも明らか。

スタートまで90分くらいあったので、到着後しばらくはアイスホッケー場のある施設で時間をつぶす。ここでお手洗いにいったり、朝食を食べたりしてまったりすごした。

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暖かいのでここでごろ〜んと横になっていた。

初の海外レース、外国人ばかりでビビったりするのかなと思っていたが、シャモニーに到着してから数日が経過しており環境に慣れてしまったようだ。これならフラットな気分でスタートに臨めそうだ。
この体育館のような待機場からスタートまでは離れていて、坂を登ってようやくスタート地点に到着する。ゼッケン番号ごとにブロックが指定されているので要注意だ。ドロップバッグを預ける人は荷物置き場が奥にある。余裕をもって移動したほうがいい。
ブロックに入ればあとは自分のスタートを待つだけだ。

CCC (Courmayeur – Champex – Chamonix)

ここでレースプロファイルを少しだけ。
CCCはUTMBの後半、クールマイユールからスイスのシャンペ湖を経由し、フランスのシャモニーへゴールする101kmのレース。累積標高は6100m。日本でいえば富士山を1周する「ウルトラトレイル・マウントフジ」(UTMF)の「静岡から山梨」(STY)的な位置づけと思ってもらえばわかりやすいだろう。
日本のレースと違うのはひたすら登って、ひたすら下るの連続であること。こまかなアップダウンはほとんどない。なかなか日本では味わえないコース、標高だと思う。
Profil-CCC-2015
UTMBコースとの違いは一つだけ。CCCはスタート直後にトロンシュの頭(Tete de la Tronche,2571m)というピークを越えてベルトーネ小屋に向かうが、UTMBはクールマイユールからベルトーネ小屋直行である点。

コースは、トロンシュ(2571m)とグラン・コル・フェレ(2537m)という標高の高い2つのピークを登り下りする前半部分と、56km地点のシェンペ湖を挟んで3つのアップダウンを繰り返してシャモニーに到着する後半部分に分けられると思う。

関門は8つ。トレイルレースでは基本的に関門時間と向き合いながら完走するのが私のスタイル。これまでのレースで最も難度の高いこのレースでもそれは変わらない。

Tableau-passages-2015-CCC

サポートを受けられる箇所は3つ。上のタイムチャートの緑色の箇所だ。私は単独で走るのでサポートはないが、CCC期間中も大会のシャトルバスはシャモニーから移動しているので日本からの参加者であってもバスで巡ってサポート可能。大会中はlivetrailというサイトでランナーのチェックポイントの通過時間、次のチェックポイントの予想到着時間が表示されるので、それを一つの目安にして移動すればいい。

あわよくば完走……というスタンスで

このレースに臨むにあたっての優先順位は以下のとおり

1:安全第一 = 帰国後職場に迷惑をかけるわけにもいかない。セーフティーに。
2:感謝の気持ちで = 海外レースまでこれたことに感謝
3:楽しむ = 頑張る!も大切だけど楽しむ気持ちをわすれずに
4:シャンペまでは行きたい = 56km地点のChanpex-Lacまでは関門をクリアしたい
5:あわよくば完走 = シャンペまで行けたら、完走を目指す

自分の実力を冷静に見つめると、こんな具合だろう。

DCIM100GOPROスタートはウェーブスタート。目標タイムの早い順に3つのグループが10分おきにスタートする。エントリーの際、調子に乗って高すぎる目標を掲げていた私はあろうことか、2番手から。大音量の音楽、何をいってるのかさっぱりわからないフランス語のアナウンス、歓声、日本のトレイルレースでは感じたことないにぎわいのなか、クールマイユールの街を駆け抜けていく。

天候は……この日も最高だ。

最初の1400メートルの登りですでにフラフラに……

Profil-CCC-2015

最初は10km地点のトロンシュまで1400メートルの登りとなる。ここはウェーブスタートになっても渋滞気味になりつつ、ゆったりと頂上を目指す。

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高低図では登り一辺倒に見えるが、ところどころにこうした下る箇所もある。最初のうちはのどかなトレイルなのだが、進むにつれ斜度が増していく。

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上の写真は牧場のフェンスがあるのでトレイルにヤギがなだれ込むことはないが、ロバがトレイルのど真ん中で立ち止まっていたりした。

DCIM100GOPRO

 

斜度がキツイ。スタートから握っているストックがもし折れたとしたらと思うとぞっとするほどしんどい。木々がないので上をみると果てしなく感じられる人の隊列が見える。「まだ登るのか……」グラン・コル・フェレが難所と聞いていたが、最初のこれもなかなかパンチの効いた登りで「聞いてねぇぞ」とかつぶやきながらひたすら登る。

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絶景の稜線を進む

この最初の長い登りをひぃひぃ言いながら登り切ると、目の前には絶景が広がっている。この稜線を駆け抜けて最初のエイド、ベルトーネ小屋へ向かう。ヨーロッパアルプスの壮大な風景に奪われながら、夢心地で走っていると脇見がいけなかったのかなんでもないフラットな場所で転んでしまった。え?なんで俺転んでるんだろう?と自分の状況が理解できないでいたままブラジルの国旗をつけたおじさんに担がれる。「オーケー、サンキュー」といって再び走る。ああブラジル人だから英語は不適切だったのかなと思ったのはもう少し走ってからだ。

DCIM100GOPRO

ベルトーネ小屋のエイド。水かと思ったら出てきた白い水(スポーツドリンク)があまりにまずくて一口で全部吐き出した。

15kmのベルトーネ小屋から次のエイド、ボナッティ小屋までの7kmは左手にモンブランやグランジョラスを眺めながら、フラット気味(といってもアップダウンあり)のトレイルを走れる楽しい区間のはずだ。私は最初の登りの疲労、そして転倒でけっこう滅入ってしまい、走れる区間であっても早くも歩いたり走ったりの繰り返し。まだ1/5しか走っていないのに疲労困憊。まだ時間に余裕はあるはず、セーフティーに。セーフティーに。

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22kmのボナッティ小屋。なぜ登りきった場所にあるのだ……(疲労)

この区間は水場が豊富で通りかかるたびに頭に水をかけたりして体を冷やした。上の写真からもわかるように天気が良すぎて、とにかく暑いのだ。日本の夏は8月末には収束してしまったが、こちらはザ・真夏日。僕が見たCCCのDVDでは吹雪いていたというのに、35度とかどういうこと!? そして湿度が低いので日本のように汗をかかない。この湿度の違いがのちに自分の認識を大きく狂わせることになるのだが、それはもう少し先の話である。

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アルヌーバのエイド、ここは広くて座って休める場所もあった。ただテント内は蒸し暑くてたまらん。

16:30という関門時間が設定されていた27km地点、Arnuvaのエイドには余裕をもって到着することができた。走れればもう少し楽だったと思うが、早くも余裕がない、コテンパテン状態だ。

ここから先はグラン・コル・フェレへの長い登りがまっている。水分補給、ジェルやベスパも補給して万全の体制で臨む。関門時間1時間前にエイドを出発した。

つづく