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セリアA インテル 対 サンプドリアを観戦 ②

前回のつづき)

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空席は目立つし、ボロいが、いいスタジアムだ。

さぁ、いよいよ試合がはじまる。観戦はもっぱらJリーグで海外サッカーに関する知識はほとんどない。インテルとサンプドリア、知名度でいえばインテルに分があるが順位はサンプドリアのほうが上だと知って驚いた。インテルも今ではすっかりタイトルから離れたクラブになってしまっているようだ。

長友選手が欠場しているため、知っている選手は両チームともにゼロ。完全にフラットな立場で試合観戦を楽しめる。だがそれではおもしろくない。私は全力でインテルを応援する側に立った。頑張れインテル!である。

キックオフへの演出がうまい

随所随所でスタジアムのビジョンでキックオフへのカウントダウンが告知される。等々力のフロンターレの試合でみたことのあるアレだ。海外で試合を見ると、これは徐々に試合への気持ちが高ぶってきていいものだなと思った。

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選手ごとのビックフラッグがピッチにならぶ。

スターティングメンバーが紹介されると、その選手の写真が大きくプリントされた大きなフラッグがピッチに並ぶ。アナログな手法だが、スタメンの顔が一覧できてこれも便利だ。

どれも決して華やかとは言い難いが、キックオフへの演出が上手だ。Jクラブの場合はビジョンに映像を流してキックオフになるが、それ以外でも効果的な方法はあるのだなと感心する。

熱い両サポーター
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試合前から煙たいゴール裏

両サポーターの応援も熱い。Jリーグでは発煙筒が禁止されているので、原則見ることはないのだが、こちらでは発煙筒が焚かれまくる。平日の21時キックオフという条件でサポーターの数はまばらだが「すぐりし精鋭」な感じは伝わって来る。

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サンプドリアの熱心なサポーターも多かった。

発煙筒もJリーグで見られないが、それにくわえて気になったのはインテルのゴール裏が試合中ピカピカと数カ所で点滅していたこと。遠かったので何が光っていたのかわからなかったが、ライトのような白い光がランダムに数カ所点滅していた。これもJリーグでは見られないサポーターの演出だった。

指定席のサポーターも全力でブーイング
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試合はホーム、インテルが主導権を握る

最近Jリーグではスタジアム観戦のルールやマナーについて様々な指導や処罰が下されていて、マリノスも他人事ではないのだが、セリエAはちょっと違う。これが海外サッカーの観戦なのか!と実感したのがこれだった。

メインスタンドの指定席なので穏やかな観戦で、観光客向けだろうと思っていた。確かに試合中は座って穏やかに試合を観戦している。だが、ここに座っている穏やかな観戦者たちは相手チームのサポーターのチャントやブーイングには黙っていない。イタリア語がわからないのでサンプドリアのサポーターが何を言っているのかわからないが、相手サポーターが騒ぐと、立ち上がって彼らの方を向いて腕を上下してリアクションをとったり、中指を立てたりする。
「ちょっとそれにはだまっていられねぇな」というリアクションを穏やかな観戦者たちはとり続けるのだ。安心してみることのできる席だが、Jリーグのような穏やかさはない。メインスタンドも戦っているのだ。そのピリっとした空気が試合中も漂い続ける。

試合はというと、主導権を握ったインテルに何度となく決定機が訪れるが、ことごとくチャンスをものにできない。まるで日本のサッカーを見ているような気分に。
「このままだとインテルが攻めまくってもスコアレスドローかもな」と思った後半、ようやくインテルが「PK」というチャンスをものにし、先制点を得る。

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イカルディという選手がPKを決める

待望のゴール!
戦う指定席もこのときは立ち上がって喜ぶ。スタジアムDJがファーストネームを言ったあとに、スタジアム中がセカンドネームを合唱するのが気持ち良い。すごくシンプルな応援だけど、こういうのって一体感をつくるうえで大事な応援だと思う。指定席にいる、私のような選手を知らない身でも簡単に応援できるのだから。

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ゴールでこの日一番の盛り上がりを見せるメインスタンド

上の写真、インテル側のゴール裏の様子をよーく見てみると……

141030-01-18なんかめっちゃ燃えてる……熱いな

結局試合はこの1得点をインテルが危なげなく守りきり、1-0でインテルの勝利となった。しっかりとホームの自分が応援したチームが勝って、ここちよくて熱い時間を過ごすことができた。はじめてのサッカー観戦は発見の多い90分だった。インテルでは長友選手がプレーしているが、この試合を見て日本人がプレーしている姿が想像できなかった。あまりにJリーグと違うから。でも、プレーしているんだよな。海外組は試合に出られなかったりするけど、主力として活躍している選手って本当にすごいことなんだなと思った。

サッカー観戦の好きなドイツ人親子

実は試合の前に、隣にいた白人の大柄な女性に話しかけられた、日本語で。
「え?ここで日本語???」で大変驚いた。なんでもその女性は息子さんとサッカーの試合を見るのが好きで色々なクラブの試合を見て回っているのだという。さすが欧州連合。ヒトの動きが活発だ。この間はミランの試合をここで見たという。大学時代に日本の大学に留学したことがあり、今もドイツで日本の放送局のコーディネートなどをしているんだとか。この日は平日ということもあり、旦那さんは仕事でドイツに残してきたというが、こうしてサッカーを通じて各国を旅するのが好きなんだとか。我々がアウェー遠征兼国内旅行をするのと同じ感覚なのだろうか。
「イタリア人はおしゃべりでうるさくて……」とドイツ人のおばさんは話していたけど、おばさんもなかなかの喋りだった。ただ、こうして異国の地でサッカーを見てまさか母国語を話すことが来るとは思わなかった。ドイツの方だったので、ブンデスリーガでプレーする日本のサッカー選手のことなどを話した。ああサッカーは素晴らしいなぁ。

インテルサポーターのタクシードライバー

試合が終わってスタジアムに出る。もう23時過ぎ、夜も遅くなっている。スタジアム周辺に人はたくさんいるけどタクシーがない。スタッフの人にタクシー乗り場について尋ねるがさえない反応だ。

実はホテルが市街地ではなく、郊外だったので地下鉄でミラノの市街地に戻って再び電車で郊外に出るのはあまりに時間がかかる。それならいっそのこと歩いてサンシーロからホテルまで歩いた方が早そうな気がしていたのだ。

ただ、できるだけタクシーに乗りたい。でもタクシーはいつまでたっても見つからない。仕方ない、ホテルまで歩くしかないか……1時間くらいだろうか。などと思っていたところで、1台のタクシーを見つけ乗り込むことができた。私は運がいい。

ドライバーの若いにいちゃんと話しをする。早速今日の試合が話題になる。しかし、何か話しをしていて噛み合わない。彼はまるで試合を見てきたかのような話しぶりなのだ。よく聞いてみると、このドライバーはタクシーをスタジアムの駐車場に止めて、現地観戦していたインテルサポーターだったのだ。そう話すと、腕に掘られたインテルのタトゥーを見せてくれた。ガチじゃないですか。そのあともサッカーの話しを聞いたり、「ここはミランのオフィスだ」みたいなことを教えてくれた。長友選手について尋ねると「スピードがいいな」といった。クロスの精度は評価されないか、やはり。

試合後は道路の規制もあってホテルへの到着まで時間がかかってしまった。ドライバーは、値段がかかったことを気にしてくれたのかレシートを受け取らないかわりにおまけしてくれた。インテルサポーター、いいひとじゃないか。
このタクシードライバーの件で、俄然インテルへの好感度はアップした。寒いなかホテルまで1時間行くことを覚悟していたので、このドライバーには本当に感謝している。このにいちゃんに助けられた分、インテルの動向くらいはこまめにチェックしようと誓った。

ホテルに帰ってテレビをつけると、サッカーの番組がたくさんやっている。それらをあれこれザッピングしているうちに眠くなってベッドに倒れた。

はじめての海外サッカー観戦は想像をはるかに上回る濃い時間となった。