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小江戸大江戸の大江戸ナイトランへ(激走編)

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準備編はこちら

①スタート〜成願寺エイド(36.6km)

午後10時、小江戸大江戸のランナーたちの大勢が大江戸パートへ入ってどのくらい経つのだろうか。川越の街が静かになりつつあるこの時間から大江戸ナイトランはひっそりとはじまる。私はスタート前に風邪薬を飲んだ。

この36kmは大江戸ナイトラン序盤の難所だ。これをクリアできれば、90kmの河川敷までスーッと流れでいけるとおもっていた。逆にここで躓くと去年のような18時間オーバーの苦しい展開になることを覚悟していた。

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まずは30km川越街道(R254)を一直線に走り続ける。去年は徐々に気持ちが乗ってきたのか、ペースが上がっていた。それが後々の失速、体力の底打ちにつながった。今年は風邪をひいていることもあるので淡々と走る。あえてiPhoneで音楽を聴きゆるいペースを意識、のど飴が溶け切ったら次の飴を間髪なく入れていく。飴をなめて走れるくらいのペースを意識する。

川越街道は一直線に進むだけだが、コースはどちらかというと上りが多い印象。そして30kmで山手通りに入る。山手通りを新宿方面にひたすら進めばエイドなのだが、この区間は起伏が激しい。小江戸大江戸の参加者は120km走ってこのアップダウンを走っていくとか考えられない。去年はこのアップダウンで歩いてしまったが、ペースダウンが効いているのか走り続けることができた、遅いけど。エイドなしの37km、長かった。

ちなみに22km成増の「なか卯」で無料で食事ができたが、特にお腹が空いていなかったのでスルーした。ただ体力が落ちてきたので、なか卯スルー直後にジェルをとった。すると5分後には体の力がみなぎっているのが実感できた。
「これはジェルを定期的にとればいけるかもしれないぞ」
走りながら補給の方針がかたまった瞬間だった。

エイドでは固形物はフルーツを摂るだけで、あとは水分補給がメイン。おいしそうな麺物もあったけど、ジェルで手応えがあったのでグッとこらえて今回は暖かい汁だけをもらうことに。

②成願寺エイド〜浅草寺(66.8km)

大江戸コースで一番楽しいのがこの区間だ。ある意味東京マラソンよりも東京の名所を網羅している。またこの区間には、指定された名所を写真で撮る必要がある。

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撮影ポイントの一つ、東京都庁。

この区間から、ソロのランから所々でペアやグループを編成しながら走ることに。これはたまたま走っているうちに声をかけて自然発生的に誕生するパーティーなので、どうしてそうなるのかは謎。これまで3回参加してるけど、途中から必ずこうなる。一緒に走っていくというのも、小江戸大江戸の醍醐味だと思う。ひとりきりでタイムに挑みたいという人以外であれば、ぜひ味わってもらいたい。

都庁から富ヶ谷、代々木公園の脇を抜けて表参道、青山から六本木のグランドハイアット。水が切れたのでホテルの前にあったローソンでペットボトルを買って、今度は東京タワーへ。土地勘のある街、少し進むだけで景色がダイナミックに変わっていく都心は真夜中に走っていても飽きがこない。

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48km地点東京タワー。真下にある「ノッポン」の写真を撮る。

真っ赤に焼けた東京タワーは冬でも暖かく見えて、とてもホッとする。スカイツリーができたけど、やっぱり東京タワーがいい。

東京タワーを過ぎると、今度は日比谷公園、皇居。そして竹橋にある「こあしすエイド」(52km)だ。ここまでも走り続けることができた。疲労は溜まっている、絶対に先週の東京マラソンの疲れが出ている。だけど気力、そして体力はまだ落ちていない。ここでも汁物をいただいて、ペットボトルに水を入れてもらう。霧雨が降り始めてきた。ただ、この雨は日が昇る頃には止んでくれて本当に助かった。

こしあすエイドを抜けると皇居ランに入る。ここで去年は寒さで身体が震えてしまったのだ。今年もエイドを出ると外との気温差にブルブルっときてしまった。「やはり着替えしたほうがいいかな」と悩んだが、腕を素早く振って、遅くてもいいからすぐに走り出すことにした。そうすることで身体をいち早く温めることができた。

皇居を回って日比谷に到着するとちょうど大江戸コースも中間に。東京駅丸の内側から日本橋に抜けて、橋を渡って三越へ。三越から新日本橋駅前で右折して浅草橋方面へ。つづいて両国橋を渡って両国駅、国技館方面へ。このあたりはルートが複雑だったので、道をわかっている方にリードしてもらいながら進んだ。国技館を抜けて、今度はスカイツリーを目指す。両国から錦糸町まで一駅の区間が遠く感じられる。目の前にスカイツリーが見えたところで、スカイツリーに向かって直進。「おしなりエイド」(64.8km)だ。

新宿からここまでエイドが頻繁に用意されたが、ここから次のエイドまでは33kmある。楽しい区間も終わりが近づいてくる。

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最後の写真を撮るポイント、浅草寺。朝だから人は少なめ。

 

③浅草寺〜川越(ゴール、112.1km)

スカイツリーから浅草寺。浅草から御徒町駅で山手線をくぐって本郷三丁目へ。皇居のあとはフラットな区間がつづいていたので、久しぶりの上り坂だ。東京大学を抜けると、いよいよ単調な区間に入っていく。道を知ってる人は本合三丁目のマクドナルドで補給するようで、ここで別れた。ここからが長い長い正念場となる。フルマラソンでいえば30km過ぎ、といえばわかりやすいだろうか。

駒込駅で再び山手線の外に出る。その次は王子駅。王子駅で線路をくぐったあとに、左折して赤羽駅へ向かう。赤羽駅の前後は起伏が多い。かなり足にきているはずだが、なんとかグループに食らいついて走り続ける。

赤羽をすぐるといよいよ景色は単調なものに。東京なのか埼玉なのかわからない。走りながら「高島平の『なか卯』で食事を食べよう、そこまで頑張ろう」と話しながら進んでいた。だが、その高島平のなか卯に到着してみると、相変わらずジェルのみの補給で調子が悪くなかった私は、固形物を取るのが怖くなってしまった。これから一番苦しい単調な河川敷を走るのに、何かトラブルがあったら大変だ。なか卯をタダで食べる権利を放棄するのはもったいないが、ここは体調優先でそのまま進むことに。グループの他のメンバーも調子がいいみたいで、いち早くゴールを目指すという。

驚くことに、風邪の心配はまったくなくなっていた。走り始めた直後から頻発していた咳も鼻水もなぜか止まってしまった。だからのど飴も40kmくらいで摂るのをやめていた。

なか卯の代わりに高島平の最後のローソンで水分の補給。他の人はパンなどを食べていたが、私は相変わらずジェルばかり食べていた。

90kmからゴールの112kmまでが一番きつい区間だ。大江戸の人は90km、そして小江戸大江戸の人は180km(!!!!)走ったところで「河川敷」を走らされるのだ。8kmも。遥か彼方に見える橋がだんだんおおきくなって、それをくぐるとまた遠くに橋が見える……同じところをループしているんじゃないかという錯覚に陥るのが河川敷のきついところ。コースは去年もよくわかっていたが、ここで打ちのめされた。今年はこの区間からいよいよ雨が本降りになってメンタルはかなり落ち込んだが、グループ走のおかげでかなり引っ張ってもらった。ひとりだったら確実に歩いていた。

大宮アルディージャの練習場(河川敷なんだぜ)のそばに最後のエイド、「秋ヶ瀬エイド 」(97.9km)がある。ゴールまであと14km。これまで走った距離を考えればなんてことはないのかもしれないが、河川敷同様に精神的に追い詰めていくのが、このエイドから川越までに走る「川越バイパス」だ。高低差はなくフラット。信号も多くなく走りやすい。だが、あまりに単調だ。ずっと田んぼのなかを進んでいるような感じ。おまけに川越までの距離を告げる看板が1kmごとに設置されていて厄介だ。これが「まだ1kmしか進んでいないのか」と精神的な攻撃を仕掛けてくる。

「あと12km」「あと10km」「あと9km」「あと5km」「あと4km」……なんてことを呟きながら進まなくてはならない。100kmまでは遅くても走っているという手応えはあったが、そこから先は完全に足がダウン。3人で走っていたが、最後尾でかろうじてくっついていくのが精一杯。赤信号になると、前かがみになって荒い呼吸を繰り返す。終わりがやってこないような絶望的な気持ちのなかでも、グループの2人が進むからついていくしかない。残っていたジェルをこまめに飲んで、気力だけでなく体力まで落ち込まないよう補給する。

バイパスがおわるとゴールまでは2kmもないはずだ。雨脚が強くなるなか、自分の足も最後の力を振り絞る。前の2人に必死に食らいついてゴールした。タイムは15時間半ば。去年よりもハイペースだとはわかっていたが、まさか3時間も早くゴールするとは思ってもいなかった。これはひとりでは絶対にできなかった。周りのランナーの方々に必死にくらいついたからこそ達成できたのだ。共に走る喜びや強さといったものが凝縮された112kmだったと思う。その場かぎりのグループだけど、様々な区間で共に走ったみなさまには本当に感謝しています。

去年はどうやって帰ったかも覚えていなくて、翌朝大寝坊で会社を遅刻するという社会人として大失格な有様だったが、今年はゴール後足全体がミシミシと軋むような痛みが続いて、電車で眠るような余裕がまったくなかった。

自分らしい、手応えのある112kmにしたいという目標は予想以上の結果で達成できたと思う。まさかここまで長い距離をほぼ歩くことなく走り続けることができるとは思ってもいなかった。これがいい自信につながることを願っている。

東京マラソン、大江戸ナイトランと私にとっては長い2週間がようやく終わった。

次は4月下旬の「チャレンジ富士五湖」の100kmの部。
しばらく空くからゆっくり休もう。

小江戸大江戸の大江戸ナイトランへ(準備編)

リベンジの大江戸ナイトラン

東京が一つになった、感動的な東京マラソンが終わると、小江戸川越と大江戸東京を一つにしてしまう狂気に満ちたイベント「小江戸大江戸200K」がやってくる。

私は3年連続の参加。2013年小江戸完走、2014年大江戸完走と続いたので今年はいよいよ小江戸大江戸コース!と張り切っていたのだが、200Kのエントリーはあっという間に終了してしまい、今年も川越から都心を1周して川越に戻る大江戸ナイトランに参加する運びとなった。

昨年の大江戸ナイトランでは地獄のような経験をした。雨の降る明け方、突然竹橋(毎日新聞社前)で全身の震えが止まらなくなり、慌てて地下鉄の通路に流れ込み上着を総着替えして寒さから脱した経験がある。大都会東京のド真ん中で低体温症で倒れるとか洒落にならない事態になりかけたのだ。そんなものだからタイムも散々で制限時間の18時間ギリギリにかろうじてゴール。達成感もあったが、悔いも大きい大江戸コースとなった。

だから今年こそ手応えのある112kmにしたい!という想いがあった。確かに200kに挑めなかったのは残念だったが、まだやり残したことが大江戸にはあるのだとモチベーションを高めた。

防寒第一の装備

昨年の経験や反省を踏まえて今回は下のようなウェアや小物を用意した。

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去年は店で一番安い値段のヘッドライトを買ったら、iPhoneのフラッシュ以下の暗さで大失敗したので、今年はハンドライトにした。また気温の低下による震えに備えて上半身のウェアは昨年に続き一式用意した。以下詳細。

スタート時身につけていたもの
  1. ファイントラック : フラッドラッシュスキンメッシュ
  2. Patagonia : Capline 4
  3. OMM : Aether jacket
  4. The North Face : Flyweight Racing Short
  5. NIKEのタイツ(使いすぎてお尻に穴が……)
  6. Buff
  7. TNFの手袋
  8. DRYMAXの靴下
  9. ALTRA : Paradigm
ザックに入れて持ち運んだもの
  1. ファイントラック : フラッドラッシュスキンメッシュ ※下線は防寒用
  2. Patagonia : Capline 4
  3. The North Face : Hybrid Zepher Jacket
  4. The North Face : ウィンドシェル
  5. Buff 2つ
  6. montbell : 腹巻き
  7. ハンドライト : ジェントス閃
  8. OMM : キャップ(雨用)
  9. 防水手袋(雨用)
  10. エマージェンシーシート
  11. 背面用ライト
  12. リフレクター
  13. 地図
  14. 携帯電話(iPhone、Xperia)
  15. 携帯バッテリー・ケーブル
  16. 携帯カップ(エイドで利用)
  17. ジェル類
  18. 財布(現金や保険証など)
  19. 風邪薬(3回分)
  20. のど飴(スティック状のを3本)
  21. ポケットティッシュ3袋
心配なのは、雨と風邪

あれも必要だ、これも必要だ……と思えば思うほど道具が増えていってしまう。今年も昨年同様日曜日の予報は雨。体が冷えることをとにかく警戒した装備となった。ザックはAnswer4のFOCUS Ultra。全部入るのか心配だったが、のど飴などはパンツのポケットに収納することで意外と全部収まった。地図はストックホルダーに挟み込んだ。

実は東京マラソンを走ってから体調を崩してしまい、咳と鼻水が止まらず苦しい日々が続いていた。身体もボーっとしていて、働いているのもしんどいものだから、今回は走っても途中でリタイヤすることも考えていた。体調が崩れたときのための風邪薬、あとはのどの負担を少しでもやわらげるためにのど飴を多めに持った。

体調のこともあり、大江戸ナイトランの準備は当日の午後お昼ご飯を食べてからはじめた。スタートが夜なのでゆっくりできるのがよかった。家にあるもので持ち物が揃って(ジェルは東京マラソンEXPOでまとめ買いしていた)、荷物をバッグにしまって、日が沈む頃に川越へ向かった。

つづく