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鹿児島マラソン 2016

1月の「いぶすき菜の花マラソン」に続き、今月は初開催となる「鹿児島マラソン」に参加した。どちらも鹿児島県内のマラソンでわたしにとっては初めての参加となる。両方でも新鮮な気持ちで同時期に参加できたので、今後どちらにエントリーするか考えている人の判断材料にでもなれば幸いだ。
参考:菜の花マラソンのレポート

こちらが驚くほどの気合の入りよう

鹿児島に到着して驚いたのが、地元の気合の入りようだ。特にテレビ番組では様々な番組で本場前から鹿児島マラソンを取り上げていた。特に驚いたのが当日のテレビ放送を地元の2局が担当するという。東京マラソンでさえ日テレとフジが隔年で放送するが、同じ日に時間を変えて2つの局が中継するとは……。地方では当たり前なのだろうか。東京ではありえない充実した放送体制である。

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空港にて

「なるほどこれは相当盛り上がっているんだろうな」とお祭り気分で前日にゼッケンを受け取りに公園へ行ってみると……人がほとんどいない。

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ゼッケンの受け取りは驚くほどスムーズ(というか人がいない)

真昼の時間帯だというのに。公園のエキスポ(?)にはブースも人気あるが、ランナーはボチボチといったところ。盛り上がっているのか、いないのか心配になりながら当日を迎えた。

 都市型マラソンのトレース版

「菜の花マラソン」がローカル感満載の「おもてなしマラソン」だとすると、こちらは都市型マラソンのトレース版といったところ。前日のエントリー、エキスポ、早すぎるスタートブロックの閉鎖時間(1万人規模で厳密に行う必要があるのか?)、そしてテレビ中継と知ってる人には「あるある」なシステム。だけど地元の人にとってはそれが「新鮮」だったりもする。いろいろな大会に出ている人でタイムを気にしないのであれば「菜の花」の方が「新鮮」かもしれない。

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給水にはありませんでした

1回目なのでこなれていないのは仕方ない。荷物を預ける地下駐車場の入り口への案内不足、周辺のトイレ不足などがそれだ。こういった点は回を重ねるごとにドンドン改善していく。ただ、1回目から致命的な問題はスタートまで見受けられなかった。2時間前に来た私はのんびり、マイペースにいつもの大会のように準備することができたし、不満はなかった。

天気は曇りだがめちゃくちゃ暑いなかスタート

3月の鹿児島は暑い……。天気は曇りで「いい感じ」だったが、この日の予想最高気温は20度。マラソンなんかやってられるかという暑さである。着替えのさいに履いておいたタイツを脱ぎ、ゲイターに切り替えたが、スタート前に早くも邪魔になり、アームカバー共々「厄介なことになったな」と思いながらスタートを迎えた。スタートは開会式でゲストランナーの方々の挨拶が終わった途端、10秒前のカウントダウンが突然始まり、周りの人たちが慌ててGPSのスイッチを入れていた。なかなか斬新なスタートである。

ほぼ海沿いの、想像以上にハードな42km

コースは下の図の通り。

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鹿児島の市街地がスタート地点になっているが、そこを走るのはファンランの区間になっている9km強で、それ以外はほとんど海沿い。お祭り気分のマラソンを楽しむならファンランで充分だ。そこから先は、ひたすらストックな区間となっている。

実は「このコース、風向き次第では走りやすいのかも」と期待していた。
「何かおかしいぞ」と気付いたのは15kmくらいだろうか。そして20kmすぎからは思っていたよりもずっと早く訪れたつかれ具合に「ふ、フザケンナヨこれ」と苦笑いしてしまった。
というのも、このコース高低図が悪い。これを見てほしい。

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0メートルと20メートルの目盛りがめっちゃ細いから、18km〜32kmくらいまで25km前後を除けばほぼ平らに見える。ただ実際走ると全然違う全然平らじゃない。海沿いの平らな、湘南国際マラソンのようなコースを想像していたのだが、「全然違うじゃねーか」とやり場のない怒りが込み上がってきたぞ。

この「平ら」に見える海沿いの区間は

  • 細かいアップダウンの連続
  • アスファルトが粗い
  • バンク(傾斜)がきつい

のだ。アップダウンについては、説明はいらないだろう。アスファルトの荒さは、着地する場所がゴロゴロしているというか不安定というか、接地のさいに疲れそうな感じがするのだ。そしてだめ押しがカーブの傾斜。体が……傾いてしまう。左右綺麗な姿勢が維持されないので、それほど多くないがきつく感じられる。

これらはコース案内では伝わっていない箇所。当然地元の人たちは試走なりして感じ取っていたのかもしれないが、初開催ならではの「あけてびっくり玉手箱」てきなエッセンスを存分に味あわせてもらった。

そんなわけで私自身は30km過ぎくらいから「いつもの失速」が始まると踏んでいたが、25kmの時点で失速が始まっていた。それ以降は「こんなはずはない」「こんなはずはない」と漏らしながら、ヘロヘロ進む展開。

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写真で見るとゆるい傾斜の陸橋だが、これがラスボス。

橋を下って、市役所の脇を抜け路面電車の一本道に出る。そこですぐにゴールなのかと思いきや、ゴールらしきものが見えない。どこだ一体どこなんだと進んでいるとようやくゴールを案内する柱が見えてなんとかゴールした次第。

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これだと遠くからだとわかりづらいのでゲート型だと助かる。

思ってたよりもずっとキツくて笑ってしまった。菜の花ほどじゃないけど、期待していたのとはちょっと違ったね。そしてあと数秒で3時間40分を切れたという微妙すぎるタイムに再び苦笑い。ゴールのあとはメダルやタオル、バナナなどの記念品をいただき、着替えのあとには豚汁とおにぎりまでいただいた。特に豚汁は美味しかった。

私が走っているうちは終始曇っていて、それでも暑いという印象だったが、地下の駐車場から出ると綺麗な青空が見えてきて「これは気温と日差し的にもシャレにならないな」と思った。

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ゴール後、青空と桜島で最高な景色(だが暑い)

初開催なので細かい課題はあるのかもしれないが、全体的には滞りなく運営されていたし、地元の方々のあたたかい応援もあって楽しかった。初大会の東京の時、あるはずのバナナや給食がすっからかんになってた時の衝撃に比べたらどれもなんて事ない。県外からやってくる人にとっては桜島を見ながら走れるというのは、鹿児島ならではの魅力といえよう。これから回を重ねることに運営もランナーもお互いに高めあって行ける大会になるはずだ。

「鹿児島」か「菜の花」か

走る前は「タイムなら鹿児島、おもてなしなら菜の花」と思っていた。上で述べたようにタイムを出せるコースだと思っていたが、実際に走ってみると印象はずいぶん変わった。東京マラソンって走りやすい方なんだなぁと思ったくらいなので、タイムなら鹿児島とはいえなくなった。

そこで改めて考えて直してみると「お祭りなら鹿児島」と思うようになった。地元の人たちの知名度、テレビ放送、賑やかな応援、すべてがお祭りなのだ。マラソンの翌日、翌々日にもテレビで特別番組が放送されたというので、「テレビを見て走りたくなった」と思った地元の人たちも少なくないだろう。本当はキツい運動なのに「なんか楽しそう」な雰囲気にやられて、盛り上がって参加して、ヘロヘロになって……そうやって恒例のお祭りになっていくと、地元の人たちの新たな共有体験の場や、県外の参加者と鹿児島をつなぐ新たな機会になっていくはずだ。

もう少し経って、「こなれた頃」に参加するとずいぶんと印象が変わるかもしれない。そんなことを思った鹿児島マラソンだった。